第二章 株主になる


■ 下落が始まったら早めに見切る

 株式投資は、株式会社の項目で説明したようにリスクも存在します。
その1つに、「株価の値下りなどで資産が減る」ことです。
長期的に見て株価が下落する可能性が低い銘柄を選ぶなどの方法でリスクを減らせますが、
確実に損失を出さない方法はありません。
そのため、大きな損失を出さないよう「損切り」(ロスカット)を覚えておきましょう。
それは「被害を最小限に抑えるため、株価が下がりはじめた初期段階で、見切りをつけて売る」ことです。


 しかし、いざとなると「明日になれば上がるかもしれない」「一週間待てば元の株価に戻るかもしれない」という気持ちが働くため、決断が難しいでしょう。
ですが、株価が値下がりし続ける株をそのまま持ち続けた場合、損失を大きくしてしまう一方です。
値上がりを期待して長期間保有し続ける「塩漬け株」となり、次の運用に支障をきたしたり、
 例えば、1株200円の銘柄を1000株を購入したが、180円に下がってしまった時、
1株180円の1000株を追加で買い、その株価が190円に上がればプラマイ0になるのではと、
むやみに「難平(ナンピン)買い」をした挙句、さらに損失を膨らませることもあるでしょう。


 あまり深追いせず、自分で「損切り」のラインを-10%までなどと決めておき、
効率よく売買ができるよう心掛けましょう。
 一般的に「-15%」程度が目安だと言われています。
売却時期の判断が難しいでしょうが、この決断が損失を最小限に抑えることができます。


■ 会社が倒産したら?

 2つ目のリスクに、「会社の倒産」があります。
もし、その倒産した会社の株式を持っていた場合、株式の価値はゼロになる可能性が高いです。
 倒産した会社の株式は、「整理ポスト」という枠に移され、(倒産しそうな場合などは「監理ポスト」
期間限定で取引されますが格安の値段で取引されることでしょう。
売却できるうちに、諦めてさっさと売ってしまうのが無難です。
 そうならないために、自ら保有している銘柄の会社情報は、なるべく仕入れるようにしましょう。
会社の経済状況ならば、ある程度ニュースや噂などでも察知できるものです。


■ 生活する資金と投資資金を区別しよう

 株式投資には、株価の下落と会社の倒産といったリスクが常につきまといます。
生活費など生活資金すらも投資につぎ込んでしまえば、人生に大きな障害になるでしょう。
そうなってしまえば、思わぬ出費にも対応できなくなってしまいます。
「100万円あるから、全て株に投資しよう」という考えの投資はお勧めできません。
 株取引のクーリングオフは、現状では認められていないので、
売買の基本とリスクをよく理解した上で株式取引を楽しみましょう。


■ リスク許容度

 年齢や社会的立場によって、どの程度の資金を株式投資に使用できるか、
どの程度のリスクを負えるのか違いがあります。
 定年退職した60代が持つ500万円と、働き盛りの20代が持つ500万円との価値を考えてみてください。
働いて定期的に給料をもらっている若者と、仕事を辞めた高年齢者とでは、資金の貴重度が変わります。
 指標として、どの程度のリスクを背負うことが出来るのかの目安を「リスク許容度」でチェックできます。
「運用できる資産の割合(%) = 100 - あなたの年齢」
これはあくまで目安ですが、自分の許容範囲内での投資を楽しみ、ライフプランを崩さないようにしましょう。


■ 心の余裕を持とう

 負けが込んできたり、取引時間が迫ってくるなどで焦りや冷静な判断ができなくなることがあるでしょう。
しかし、そういった心の乱れが、入力ミスや売買のタイミングを狂わすことにもなりかねません。
1000株という数字を入力しようと思って、10000株で成行注文してしまい、
株価が下落して数十万、数千万単位で損失を出すことも考えられます。
熱中しすぎて生活資金にも手を付けて損失が出たら投資を楽しむ所ではありません。
 そういう時は、取引は次の日にでもできるものと思って、一旦休養を取ることも大事です。
当たり前のことでしょうが、心の余裕と冷静さを持って売買しましょう。


ポイント 株主のリスクは、株価の下落と会社の倒産
ポイント しっかりとした人生設計を

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