第5章 株価を予測する1 「ファンダメンタル分析」


■ 会社の現金収支がわかる

 「キャッシュフロー計算書」とは、グループ会社を含めた会社の収入と支出が記載された表です。
 初期に手元にあった資金が、期末にはいくらになったのかという会社の現金の流れが把握できます。
資金の流れを「営業」「投資」「財政」の3つの欄に分けて表示しています。
それぞれの指標の割合が「営業活動が8、投資活動が1、財務活動が1」くらいだと理想的です。


■ 「営業」「投資」「財政」を見る

「営業活動によるキャッシュフロー」
 本業による収入と支出の差額を表します。
つまり、本業の事業活動で稼いだお金の増減がわかります。
この項目の合計額がプラスで、額が大きいほど、本業が順調だといえます。
一番重要な数値であり、「投資活動」「財務活動」の状況と照らし合わせて、経営状況を判断できます。


「投資活動によるキャッシュフロー」
 固定資産や株、債券などの取得や売却をした時の現金の流れが記載されています。
ここを見れば、会社の設備投資や新規事業への取り組み姿勢がわかります。
設備投資などの固定資産への投資など、投資意欲がある企業の場合はマイナスになることもあります。
ですが、できるだけ少額のほうがよいでしょう。
プラスの場合は、投資分を上回っていることを示しています。


「財務活動によるキャッシュフロー」
 営業活動、投資活動を維持するために、どのくらい資金を調達し、返済したかを表しています。
株主に配当を支払ったり、自社株式の売買、借金を返済した場合はマイナスになります。
逆に借入金や社債などで資金調達が多くなればプラスになります。


■ 「営業」「投資」「財政」の参考例

 例えば、「営業活動でプラス1億円、投資活動がマイナス1000万円、財務活動がマイナス1000万円」だった場合、
きちんと本業で利益を出し、その中から事業への投資と借金の返済をしているので、
順調に業績を伸ばしている優良企業といえそうです。
 また、営業活動によるキャッシュフローがマイナスであれば、
現在の事業が儲かっていないので基本的に危険な状態といえます。
各項目の金額にもよりますが、以下の例を参考にして考えてみてください。


「営業活動がマイナス、投資活動がプラス、財政活動がマイナス」
 事業が儲かっていないので、資産を売却しながら、借入金を返済しているように見受けられます。


「営業活動がマイナス、投資活動がマイナス、財政活動がプラス」
 本業がうまく進んでいませんが、資金調達して積極的に事業に投資していこうという姿勢が見られます。
財務活動がプラスなので、資金繰りはできていると考えられるでしょう。


「営業活動がマイナス、投資活動がプラス、財政活動がプラス」
 事業が儲かっていないので、その分を手持ちの資産から現金化をしたりや資金調達を行い、
収支のバランスを保っている考えられます。かなり厳しい経営状態と見れます。


ポイント キャッシュフロー計算書は、収支の出入りが一目瞭然

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