第6章 株価を予測する2 「テクニカル分析」


■ 株価の動きを視覚的に表示する「ローソク足」

 テクニカル分析の中でも代表的な分析方法がチャート分析です。
その中でも、この「ローソク足」の株価チャートが最も多く利用されています。
株価の値動きを表した形がローソクに似ていることからローソク足と呼ばれています。
時間の経過と共に動く株価を視覚的に見やすくしたグラフです。
一本のローソク足を見れば、株価の「始値」「高値」「安値」「終値」の4本値だけでなく、
始まりの値段と終わりの値段、どちらが高かったか安かったかが一目でわかります。


「ローソク足チャートの例」
ローソク足チャート


■ 期間別に表示できる

 株価チャートは、縦軸に株価の値段と出来高を、横軸に時間をとります。
時間軸である横軸には、1日ずつ株価を表示した「日足チャート」、1週間ずつ表示した「週足チャート」
月ごとに表示した「月足チャート」、1年単位で表した「年足チャート」があります。
この中でも、「日足」と「週足」が一番使用頻度が高いでしょう。
しかし、日足チャート以外のローソク足は、週足ならば1週間の平均値を表示するのではありません。


 週足チャートを例にすると、
「始値」には週のはじめの値段が、「高値」には週内の最高値が、「安値」には週内の最安値が、
「終値」には週末の終値がそれぞれ表示されることになります。


■ 陽線と陰線について

 ローソク足には、白い色と黒い色の2種類がチャートに使われます。
終値が始値よりも高かった場合は、白い色のローソク足になり、
終値が始値よりも安かった場合は、黒い色のローソク足になります。


 ですが、NIKKEI NET(日経ネット)などでは、
終値が始値よりも高かった場合は、赤枠で白抜きのローソク足になり、
終値が始値よりも安かった場合は、青色のローソク足になります。
どちらかというと、こちらの方が馴染み深い色合いになるでしょう。


ローソク足チャート


 また、どちらのローソクにも、上下に延びる棒線があります。
上の棒線を高値を意味する「上ヒゲ(うわひげ)」(上影)
下の棒線を安値を意味する「下ヒゲ(したひげ)」(下影)と呼びます。


■ ヒゲの長さで判断する

「寄引同事線」
相場の転換期にでるシグナルです。
売りたい人と買いたい人が均衡を保っていて、綱引き状態のときに現れます。
つまり、もしも株価が上昇しているときに寄引同事線が出た場合、そろそろ売りのサインと考えられます。
逆に、株価が下落しているときに現れたら、今度は買い時のサインとなります。


 また、長い上ひげのついたローソク足は上げ止まりで「売りのサイン」
長い下ひげのついたローソク足は下げ止まりで「買いのサイン」とも考えることができます。
現時点で売りたい人が多いのか、買いたい人が多いのかを判断できるわけです。
もちろん、これらのローソク足が見られたからといって、必ず思ったような動きをするわけではありません。


「上ヒゲ陰線」
 売りたい人が多く、高値圏から売りに押され、終値が始値よりも安かった場合。


「上ヒゲ陽線」
 買いたい人が多く、高値まで上昇したものの売りに押されてしまい、終値が始値よりも高かった場合。


「下ヒゲ陰線」
 始値から安値まで売りが多く、その後買い戻されたが、終値は始値より安かった場合。


「下ヒゲ陽線」
 始値から安値まで売りが多く、その後買い戻されたて、終値が始値よりも高くなった場合。


ローソク足チャート


ポイント 陽線で値上がり、陰線で値下がり
ポイント 綱引き状態の寄引同事線

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